「サン宝石」が民事再生法申請 コロナ禍で経営不振に拍車 〝最後の砦〟原宿店も閉店決定

「サン宝石」は今後も事業を継続する
「サン宝石」は今後も事業を継続する

 アクセサリー雑貨の企画・販売を手がける株式会社サン宝石が、27日に甲府地裁へ民事再生法の適用を申請していたことが30日、分かった。同社の代理人弁護士は売り上げの縮小による経営状況の悪化が要因と説明した。今後も事業は継続する。

 同社は1979年に設立。「サンホ」の愛称で知られ、1円~数百円台のプチプライスアクセサリーや雑貨を販売してきた。2002年、原宿・竹下通りにオープンした直営店「ファンシーポケット」を皮切りに、2010年代には関西、四国、九州など全国各地に直営店を出店した。2021年現在は「ファンシーポケット原宿店」のみを実店舗とし、通信販売を中心にサービスを提供している。

 代理人によると「もともと売り上げがしんどかった状況」の中で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売り上げがさらに減少し経営状況が悪化したという。直営実店舗として唯一残っていた原宿店も客足が遠のいていた。今後もサン宝石の事業は継続する。

 民事再生法適用申請の一報を受け、同日13時頃には「サン宝石」がトレンドワード入り。かつてサン宝石を愛用していた人の驚きの声や、「久々に買います」と応援するコメントが多く投稿された。代理人はこの反響に「何かしら、お客さまに応えられるような体制を組む必要があるのではないかと認識しています」とした。

 サン宝石の公式ツイッターは30日、「ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。今後も変わらず営業を続けてまいりますので今まで以上に応援していただけますと幸いです」とコメントを投稿。「皆様、暖かいお言葉を本当にありがとうございます」と感謝を伝えていた。

 また、「ファンシーポケット原宿店」は15時50分頃、店舗公式ツイッターを更新し、9月26日に閉店することを発表した。これによって、サン宝石の直営実店舗は消滅することになる。原宿店は2日から閉店セールを行う予定。

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