世界で話題の「パラデル漫画」は意外な大失態から生まれた 名付け親は千原ジュニア

福島 大輔 福島 大輔
魂の巾着・本多修
魂の巾着・本多修

 紙から飛び出す絵を使用したパラパラ漫画「パラデル漫画」が、世界的に高評価を集めている。日本で唯一のパラデル漫画家とされるのが、お笑いコンビ「魂の巾着」の本多修。現在はコンビとしての活動は行わず、完全に漫画家一本だという本多がパラデル漫画を生み出したのは、意外すぎる大失敗がきっかけだった。

 パラデル漫画が誕生したのは、2017年。当時は東京・渋谷のヨシモト∞ホールを拠点とする若手コンビだった。だが、本多はある出番の日、寝坊して大遅刻し、3カ月の謹慎処分に。「その間、どうしようかなと思った時に『ツイッターでバズってみたい』という気持ちになって、パラパラ漫画に行き着いたんです。紙から飛び出すように見せるやり方を思いついて、何個か作ったら、それがツイッターでバズって…。9万リツイートぐらいあったので、これはやり続けたら仕事になるかなと」という。

 その後、先輩コンビである千原兄弟のトークライブに出演した際、「千原ジュニアの作り方」を作成して公開。千原ジュニア本人からも絶賛され、「『ただのパラパラ漫画とは違うものだから、新しい名前つけたらええやん』って言われて、パラパラ漫画の紙から飛び出るということでパラデル漫画と名付けました」と明かした。

 絵については「子どものころに得意だったというレベル」で、完全に独学でマスター。ストーリー作りには、漫才でのネタ作りがプラスになった。「初めてできたときは、自分で作ったけど見たことないっていう衝撃があった。そこからツイッターでバズって、1年間ぐらいはずっと小さく興奮状態でした」と笑った。

 現在は作品をYouTubeでチャンネルで公開しており、海外からの視聴が「50%ぐらいかな」という。海外から仕事のオファーも届いており、昨年10月にはインドネシアでの仕事も経験した。本多自身「日本語も少なめにして、海外の人が見ても分かるような感じにしています。英語も学ぼうかと思っている」と、はっきり海外進出を意識している。

 コンビ時代とは収入も雲泥の差だといい、「今はバイトもしなくてもいい。これ一本でやっていけるっていう感じ。引っ越しもしましたし、今の部屋には作業場も設けました」と充実感を漂わせた。

 それでも、芸人という肩書きは残している。「一応、芸人がこれをやってるという方がハードルが下がるので、芸人という立場は続けていこうと」と冗談めかして笑いつつ、「寝坊した時は、ちょうど『このまま芸人続けていくのはどうなんだろうな』って思ったりしていたころ。そこで諦めないでよかったなとは思ってますね」と〝塞翁が馬〟となった一件を振り返った。

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