悪魔VS悪魔 漫画「チェンソーマン」アニメ予告でさらに話題 人気の理由とは【ネタバレなし】

ゆきほ ゆきほ

週刊少年ジャンプでの第一部の連載が昨年12月に完結し、今年3月にコミックス11巻が発売された「チェンソーマン」。先月末にアニメ予告が公開され更に人気が加速している。チェーンソーの悪魔と契約し頭や手足からチェーンソーが飛び出す体になった主人公デンジが、同じく悪魔と契約した仲間と共に跋扈する悪魔を狩りまくるスプラッタバトル漫画だが、「少年漫画でここまで…?」というグロテスクで残酷な表現も多い本作。

連載終了時点から急激に発行部数を伸ばし現在1100万部を突破。人気はどこからくるのか。イラストレーターでアニメ・漫画に造詣の深いsakutaro氏(https://twitter.com/39ar_39ca)に話を聞いてみた。

――ハマったきっかけは?

Sakutaro:元々ジャンプを読んでいたのでジャンプに収録されている一作品としてパラパラ読む程度だったのですが、コミックス3巻あたりで「この漫画、面白い…」とのめり込むようになりました。主人公デンジの単純で純粋な性格に引っ張られて巻き起こる力強いストーリー展開も魅力ですが、僕が惹かれたのは感傷的な、静かなシーンの質感、間の取り方です。

――印象的なシーンはありますか?

sakutaro:コミックス6巻、デンジとレゼのシーンです。セリフもなく表情も読めない暗い海の中のコマが続くのですが、いろんな感情がにじみ出る…激しい戦闘シーンがあるからこそ、静かなシーンのコントラストが際立つんだと思います。

――サメ人間や血の魔人など、個性的すぎるキャラクターも作品の魅力だと言われていますが。

sakutaro:キャラクターの魅力はもう語り尽くせませんが…主人公デンジの絶妙さです。少年漫画にありがちな、正義感が強く仲間の為に戦い泣くというようなイメージではなく、悪魔と戦いながらも読み手である僕たちが普段生活している感情にかなり近い。ついつい、何となく流されて人生を決めてしまう、というようなリアルさが印象的で好感が持てました。クリーチャーと戦う系の漫画は最近なら『鬼滅の刃』や『呪術回戦』が話題ですが、デンジの普遍的な感情やセリフは、この作品だけの魅力であり読者がハマる大きな要素だと思います。

 

――アニメ化、コミックス第二部開始まで秒読みですが、どんな展開を期待していますか?

sakutaro:激しい戦闘シーンは勿論ですが、やはり静かで情緒的なシーンが映像で観たいですね。後半はかなりシュールな展開なので、実験的な演出を期待しています。第二部は…デンジがちゃんと学校に通えてたら嬉しいですね(笑)。

◇  ◇  ◇

 

連載開始当時、読者はデンジの単純で無謀な戦いに魅了されたが、細かい伏線が一気に回収されていく後半は更にファンをチェンソーマンの世界に引きずり込んだ。そして迎えた衝撃のラストで、単純なグロいバトル漫画ではなく社会の構図や愛の話であることが一気に明らかになるのだ。連載終了後急激にコミックス発行部数が伸びた要因も、物語の本質にファンが気づいたからではないだろうか。

アニメは進撃の巨人や呪術回戦と同じMAPPAが制作を手掛け、監督は「呪術廻戦」のコンテ演出などを手掛けた中山竜さん、脚本は「呪術廻戦」をはじめ「ドロヘドロ」や「BANANA FISH」を手掛けた瀬古浩司さんという今の日本アニメ界を支える2人がタッグを組む。音楽はagraph名義で活動し、電気グルーヴのサポートなども勤める牛尾憲輔さんが担当ということで、音楽ファンにも注目の作品ではないだろうか。アニメ開始時期、漫画第二部開始は未だ発表されていないが、原作者・藤本タツキの新作読切が「少年ジャンプ+」にて7月19日(月)更新予定。今後の展開が見逃せない。

「チェンソーマン」

公式サイト:https://chainsawman.dog/

公式Twitter: @CHAINSAWMAN_PR https://twitter.com/CHAINSAWMAN_PR

少年ジャンプ+ https://shonenjumpplus.com/

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