米情報機関を統括する国家情報長官室がＵＦＯに関する報告書を公表した。国防総省が分析した結果、２００４年以降のＵＦＯ目撃記録１４４件のうち１４３件は実態の解明ができず、うち２１件では「異常な動き」が認められたという。地球外生命体が乗っているかどうかは別として、あくまで「未確認飛行物体」という現象は存在する。そこで、「ＵＦＯを毎日見ている」という東京都在住の小説家・山中麻弓さんに話を聞いた。
山中さんは兵庫県生まれ。長野県で思春期を過ごし、都内の短大で写真を学び、雑誌記者などを経て１９９０年代から小説を書き始めた。著書に「雨ハ降ルケド、オ前ハ泣クナ」(筑摩書房)、「カルマ落とし」(KADOKAWA)、「麝香魚(じゃこうぎょ)」（祥伝社）、「猫談」（新潮社）などがある。
初めて「ＵＦО」と認識した飛行物体を見たのは、１５年１月９日午後３時頃のこと。山中さんは、よろず～ニュースの取材に対して「松本発、新宿行きの特急あずさの車中、甲府を少し過ぎた辺りで、進行方向左側の窓から、雲一つない空に銀色のメタリックなバーベル状のものが２つ現れたのを見ました」と明かした。
「車窓から見たモノには疑心暗鬼なまま、偶然開いたグーグルアースで、月にどう見ても人工物としか思えないモノがある映像を見つけて、地球外に知的生命体は存在する、と確信しました。その後、最初に見たメタリックなものとはまた違った、飛行機や人工衛星とも明らかに違う動きの発光体を頻繁に見るようになりました。それで動画の撮影を始め、専門家に見てもらった。UFOだという確信が持てなかったのですが、悪いモノでも恐いモノでもない、と皆さんが安心させてくださり、情報もすり合わせて確信に至りました。最初にメタリックなモノを見た時は心身共に最悪のコンディションだった状況で、UFOの出現はまさに脳みそにキックが入ったみたいで、はっと我に返った、そんな感じです」
その後、山中さんは「特に天気の悪い日を除けば、ほぼ毎日、ＵＦＯを見ています」という。「時間帯は夕方から夜間、明け方が多いです。場所は選びませんが、ネオンがあると見つけにくいです。強いていえば自然が多いところですかね。川のそばもたくさん来ますね」とし、さらに「部屋の中にも来ますから。小さなのは玄関先の街灯やドアの横、ある種のものは部屋の中に来ます。気が向いたら寝転がって撮影しています。小さなものはUFOというより、意識のあるエネルギー体じゃないかと思っています」と証言。撮影動画は、友人の漫画家・森園みるくさんが主宰するYouTubeチャンネル「アムールみるくチャンネル」(動画撮影編集・宙崎抽太郎氏)で、７月7日午後7時から複数回にわたってアップ予定。同番組には山中さんも出演し、その状況を解説する。
動画を確認した森園さんは「不規則な動きをする光が最初は１つだったのが、急に３つ４つと分裂したように増えて、また１つに戻ったり増えたりしていて驚きました。正確にはUFOではないのかもしれないですが、『未知のものである』という確信のようなものがありました。数年前に山中さんのお宅にお邪魔した時にも、直角の動きや複雑な動きをして消えるモノを夜空に見ました。何らかの意思を持ったモノで、星でないことは確かだと思っています」と補足した。
記録された動画の一部を紹介しよう。１８年頃、山中さんは長野県にある実家のテラスから、夜空に大きな発光体を認めた。「突然現れると、しばらく静止して消えた」という。この時に撮影した映像を見ると、発光体の上にはVの字に長く強い「スミア」(※明るい被写体を撮影した時に発生する直線状の白い光)が出ており、そのV字の右横にある小さな白い点は、真っ黒な山肌にある民家の灯りだと推測されたが、発光体の正体は不明である。
「ＵＦＯ目撃は主観」という指摘もあるが、山中さんは「確かに、私はあるモノを見ているわけで、その存在を動画に定着させています」と確信を持ち、「自分を納得させるために撮ったもので、今回は仲良しの、みるくさんのチャンネルなので公開させていただきました」と付け加えた。森園さんも「UFOに興味のない方が見てもとても面白いと思います。興味を持たれた方は夜空を見て直角に動く星がないか探してみて欲しいです」と呼びかけた。
山中さんは「悪いループを抜け出すための解決策が見つからない時は、親しい人と飲んだり、好きな音楽を聴いたりして気分をリセットするんですが、UFOを見るのもちょうどそんな感じなんです。UFOが来たら、心の中でいろいろ言っているうちに何かヒントに気づきます。気分が上がると微妙に体調もよくなりますから、ありがたいものです」。ＵＦＯにはそうした効用もあるという。
