激変したライブハウス 「配信開催」にアーティストも慣れた コメント投稿、ドリンク差し入れ

ミュージシャンの世史久(40)が16日、大阪市内のライブハウス・アメリカ村 BEYONDで無観客配信ライブ「世史久祭り大阪編vol.20~大阪アメ村ドドスコベイベーNight~アメ村BEYOND 3rd Anniversary!!!SP」を開催。コロナ禍の1年間で変化した配信ライブの裏側を語った。

当初は有観客での開催を予定していたが、「まん延防止等重点措置」が5日から大阪府に適用されたことを受け無観客開催に変更。世史久祭り15年目記念とアメリカ村 BEYONDの3周年を祝うため「全国からいろんなアーティストを集めて盛大にやろう」としていた矢先のことだった。「チケットも売れていたんですよ。楽しみにしているっていうお声もいただいていて。でも急きょ、まん延防止等重点措置とか時短の要請もあって」と、予定変更を余儀なくされた。

「去年は中止という選択肢しかなかったんですけど、配信というツールがこの1年間で普及した。それを使って全国の皆さん、いろんな人に届けられたら」。昨年中止になった「世史久祭り」のリベンジの思いも込め、前向きに配信開催を決定したという。

コロナ禍で配信方式を採用するライブが増えた。世史久は「僕は慣れてると思います(笑)」と自信を見せる。同ライブハウスの配信では視聴者がコメントを投稿できる機能がある。会場内にはプロジェクターを設置し、ステージ上のアーティストがパフォーマンス中にコメント欄を見られる仕組みを作っている。

「お客さんがコメントくれたら拾って。なんか言ってきたら返したり。リアルタイムでコメントを拾えるので、見ているお客さんも会場ではないけど参加して一緒に盛り上げているふうになるよう心がけていますね」と配信ならではの工夫を語った。

昨年、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりイベントの中止が相次いだ中、「関西は特に配信ライブでやるのが早かった」という。同ライブハウスの店長は「商売上手やから(笑)」と理由を明かす。

動力となったのは「とりあえず動いてるように見せなあかん」との思いだった。「とりあえず他より先にどんどん動いていこうと、緊急事態宣言が出た時(昨年4月頃)に、まずはカメラとか機材をいっぱい揃えて。実際に営業できるようになるまでスタッフと撮影の練習とかをしながら、『配信ライブやっていいよ』となったタイミングですぐにできるようにしました」と振り返った。

16日の公演では複数アングルからの撮影やカメラの切り替えが行われ、まるでテレビ音楽番組のような映像が生配信された。アーティストがリアクションを煽ると、視聴者はハンズアップの代わりに手を上げる絵文字を連投。曲の終わりには拍手の絵文字が送られ、〝会場〟が盛り上がった。オンライン購入できる「ドリンク差し入れ」機能もあり、視聴者から出演者やスタッフへドリンク代が送られる様子もコメント欄で実況された。

ソロ活動15年目に突入した世史久は今年41歳を迎える。近年は若手の育成にも力を入れ、地元・尼崎や大阪を中心に関西の音楽シーンを盛り上げようと発信している。度重なる情勢の変化に「絶賛厄年です」と笑いながらも「俺は攻め続ける!」と活躍を誓った。

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